ニュージーランド コロナ

【2021年】ニュージーランド移住の大問題 ・永住権の審査が止まり移民たちのイライラMAX(→特別な永住権枠が発表されメドは立ちました)

こんにちは。海外移住をめざしながらニュージーランド現地で子育て中のNinaです。

ニュージランド移民局から、コロナ禍での特別な永住権枠について発表がありました!すでにニュージランド国内にワークビザなどで3年滞在 or 時給NZ$27以上 or 該当の職種についている人に永住権申請のチャンス。条件がゆるすぎて衝撃。いままでの厳しさどこいった?と腰を抜かしてます。»移民局公式サイト

以下の記事は、2021年9月30日の発表を受ける前に書いていたものですが、永住権が無くてどんなことに困っているか、ニュージーランドの混乱と私たちの葛藤の記録として残しておきます。

ニュージランド入国については、必ずご自身で最新情報を公式サイトで確認してください。

1年半もビザ審査が止まり、人材確保が大問題となったニュージーランド

夫のタケさんが大工としてニュージーランド永住権に挑戦中。そして2020年に永住権の申請をしましたが、パンデミックの影響で審査がずっとストップ。

https://nina-life.com/2021/03/18/applied-nz-residency/

ワークビザやパートナービザ、かなり昔に申請された永住権などは審査が進んでいるみたいですが、2020年4月以降に申請されたものは放置のまま。

よほど、「この緊急事態にニュージーランド国内で働いてる移民にはすぐ永住権あげます!!労働力確保!」ということにでもならない限りは、あと何年かかるか分からない状態となってしまい。

「いつ再開するの?」という質問に対して移民局から繰り返されるのは「Soon(もうすぐ)」という回答のみ。もう1年半たったぞ。(後日談→上記のとおり1年半待ってやっと発表があったよ!2021年特別ビザ

コロナ前でさえ永住権の審査期間はどんどん伸びて約2年。もし来年再開したとしても、永住権にたどり着けるのは3年もしくは4年後?

「Soonっていつやねん、30年後か」とキレぎみなコメントも出てました。

ニュージーランドは移民の国ですが、いまの政府の方針は、まずはニュージーランド人に優先して仕事に就いてもらい、移民はそのあと。移民のスキルに頼るのではなく、自国民に技術をどんどん身につけてもらいたい、というもの。なのでちょっと前まではワークビザも永住権も比較的取りやすい国だったんですが、あっという間に移民へのビザ条件は厳しくなってしまいました。

もちろんこのような世界情勢で、ニュージーランド人の雇用を先に守るのは当たり前のこと。それは納得です。ただこれまで移民が現地のビジネスや医療に深く関わって貢献していたことも事実。

高度な技術を身につけてもらうにも数年はかかるし、そもそもニュージーランド人から応募が来ないなど、医療、農業・畜産、製造、IT、高齢者のケア施設など、いろんな業界で急に移民の働き手がいなくなり困っているビジネスオーナーだらけ。政府のねらいと現場には大きなギャップがあるのが現実です。

他には、パートナーや子どものビザがおりないために家族と1年半以上離れ離れになってしまった家族が多くいることも問題に。特に小さい子どもの成長は早いので、そばで見守れずに辛い思いをしている人がたくさん。

ニュージーランドのビザが厳しくなり審査も止まってしまったその一方で、カナダは100万人の移民を大量に呼び込もうとしていたり、お隣オーストラリアもニュージーランドからスキル移民を誘致しだすなど真逆の対応。フランスは、コロナ禍で最前線で働いてくれた12,000人に条件を緩和して市民権をプレゼントしたそう。(参考記事

ニュージーランドで永住権をめざす人たちは、先が見えなさすぎる状況に疲れてシビレを切らし始め、他の国へ行くことにする・もう行ったという人が続々と登場。ニュージーランドでは、人手不足、他国へのスキル人材流出、ビザ処理のスピードの遅さが大きな問題となっています。

ニュージーランド永住権が取れずに待たされて困ること

永住権なしで国外に出ると、コロナ禍ではもう再入国できない

ニュージーランドはほぼ鎖国状態のため、いま入国できるのは市民権・永住権を持っている、または特別に許された人のみ。ワークビザで働いている人たちが今もし一旦ニュージーランドを出るともう戻ってこれません。(2021年10月時点。通常であれば、ワークビザ、学生ビザ、ワーホリビザなどビザがあれば何回でも出たり入ったりできる)

永住権は申請中というタイミングでも、もし母国で病気の親に会いに行けばニュージーランドでの生活や仕事、永住権は諦めることになる。もしくは家族の中で自分だけがニュージーランドを出ると、家族には次いつ会えるか分からなくなる、と悩んでいる人がたくさんいます。

ちなみにニュージーランドへ入国する際に義務付けられている隔離施設も、まったく予約がとれない状況。なので、たとえニュージーランド人や永住権保持者であっても、いったん国外へ出ると戻ってくるのが難しいのです。。 »2万人以上が隔離施設の予約待ち中でいつニュージーランドに帰れるか分からないというニュース

住宅購入や保障などの生活基盤

今は永住権がなければ、ニュージーランドで家を買うことができません。

家の頭金にしたり年金の積立ができるキウィセーバー(Kiwi Saver)に入ることもできないので、家族がいる人などはこれも悩みのタネ。

失業手当や子ども手当なども、受給できるのは永住権・市民権がある人のみ。

18歳以上の子供たちが学校にもいけず働けない

親が永住権の審査を待っている間に18歳をむかえる子どもたちは、ビザが無い状態になってしまうそうです。(自立した大人とみなされ、親のビザに含めてもらえない。)

海外の留学生と同じ金額を払わない限りは大学に行くこともできず、就労の権利もない状態に。

24歳以下で経済的に親に依存していれば扶養の子どもとみなす、という移民法があるそうですが、なぜか認めてもらえず、宙に浮いたままの子ども達が何人もいて問題になっているという話をいくつも読みました。(→今回発表された特別な永住権枠で、17歳以上の子どもがいる人は優先して審査されるそうです)

https://www.newsroom.co.nz/faafoi-reviews-rights-of-youth-stuck-in-residency-visa-queue

ニュージーランドからの人材流出エピソード

① ニュージーランドの酪農ファームで働いてるけど、永住権への道が閉ざされてしまったフィリピン人のファミリー。オーストラリアの新しいビザなら2年ファームで働けば永住権にたどり着けるが、ニュージーランドに他の家族や友人もいるし悩み中とのこと。この方の友人はすでにニュージーランドを離れてカナダやオーストラリアへ。酪農ファームでは人材不足でオーナーが悲鳴をあげているそう。»https://www.stuff.co.nz/business/farming/126315904/australia-pinches-nzs-migrant-dairy-workers-who-cannot-get-residency

② 3000人のドクターやナースなど医療従事者さえも永住権が出ずに待っている状況 »https://www.rnz.co.nz/news/national/450641/almost-3000-doctors-and-nurses-waiting-to-apply-for-skilled-migrant-residence

③ドクターが2人しかいない地域で忙しく働いてるけど、永住権が出そうにないし、成長した娘も働けなくなるからイギリス帰国を検討してるドクター »https://www.rnz.co.nz/news/national/445192/skilled-migrants-awaiting-residency-we-feel-like-we-re-being-left-to-sink-or-swim

④救急で働くドクターが、永住権がいつになるか分からないので帰国を検討中。記事内にはすでにニュージーランドを出たドクターの名前も。 »https://www.rnz.co.nz/news/national/448062/migrant-doctors-caught-in-limbo-weigh-up-their-future-in-nz

おわりに:先が見えずにみんな悩んでました

先にも書いたように、「ニュージーランド国民にスキルを身につけてもらい雇用を確保したい。海外からの技術に頼りすぎずやっていきたい。」という政府の方針はもちろん納得できるんですが、国境が閉まり人手不足が危機的な今の状況で、ビザ条件が厳しくなったり政府はどうしたいのかな??という疑問がみんなに湧いていました。

もちろんパンデミックの緊急事態なので、本当に移民局のスタッフが足りなさすぎて審査が追いつかないとか、現地の雇用を確保するための調整、政策など大人の事情も色々あると思いますが、それにしても他のカナダやオーストラリアなど移民国家がニュージーランドとは反対に移民を呼び込む動きがあるのを見ていると、「ニュージーランドはどうなっているんだ??この国で時間をかけて永住権を目指しても未来はあるのかな??」と多くの移民が思い悩んでいました。

特に早く解決すべきでは?と思ったのが、医療スタッフのビザ問題。この国では、ドクターもナースも足りておらず移民スタッフが多くいますが、コロナ禍で第一線で働いている医療スタッフさえ、ビザが何もされずに放置されたまま。

ナース達がすでにニュージーランドを去り始めているので早く対応してほしいと移民局に嘆願したというニュース。記事によると、この国で働くナースの4分の1以上は移民(主にフィリピンやインドから)。病院や介護施設のナース求人は2400件以上。50,000人以上のナースが永住権ビザの審査待ちで先が見えない状況だとか。»https://www.nzherald.co.nz/nz/covid-19-delta-outbreak-unwelcome-nurses-leaving-nz-over-immigration-rules/QELJZ26R3UB7363TYGJRCQBPYY/

ニュージーランド人の雇用を優先とはいえ、何年も勉強やトレーニングが必要な医療スタッフを、すぐに穴埋めすることはできません。医療従事者たちが「ニュージーランドを離れることを検討している・もう離れた」とさんざんニュースでも言われているのに、ニュージーランドは超貴重な人材をこのまま手放してもいいのかな?緊急事態でビザ審査停止もしょうがないとはいえ、必要不可欠な仕事を今してくれている人には、何年も待たせずすぐに永住権をあげて人材確保すればいいのに??ただでさえ人材不足だという医療現場をどうするんだい??とと個人的にも心配していました。

2021年の特別永住権が発表されたのでメドはたちましたが、2022年いっぱいは審査に時間がかかりそう。一刻も早く医療スタッフのビザが処理されますように!)

政府はコロナ対策の給付金などで相当なお金を使ったので、このタイミングで永住権の無い移民をがっつり減らそうとしているのかな?などと想像も夫婦で巡らせてました。コロナと鎖国が長引いて失業者やビジネスを閉める人がもし増えれば、移民たちの失業サポートにもまだまだお金が必要。できるだけ移民たちには母国へ帰っていただき、そうすれば政府が移民に使うお金の負担が減る、という流れに持っていくのか?そしたらもう挑戦してた永住権は難しいなーと覚悟も。

ニュージーランド移民局から方針やビザの明確なスケジュール発表も無かったので、永住権の未来が見えずに悩んでいた移民たちは次のステップを考えていた所。母国に帰れる人もいれば、治安や政治など様々な理由で海外移住を目指す人がたくさんいます。

我が家も他のみなさんと同じように、ニュージーランドに残って永住権をさらに数年間待つか、ニュージーランドを出てカナダかオーストラリアに行くかという話を検討していたので、別の記事で生活や社会福祉、子どもの学費など検討した内容をまとめてみました。(長文です)

https://nina-life.com/2021/09/22/immigrate-nz-australia-canada/

Nina
Nina
コロナがいつ終わるかも分からんし、ビザのシステムはほぼ崩壊、前向きでいたいけど先が見えなさすぎてみんな疲れてましたよね。

ビザに関しては大混乱で先行きが見えず悩むことはありましたが、よその国に住もうとしている永住権もない移民の立場として、パンデミックが始まってからも子どもが幼稚園に通えたり、ロックダウン中の給与保障がもらえたりと、現地にそのまま滞在できたことは本当にありがたいなと感じています。

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